腰痛の前で人はみな無力…

昨日、来られた患者さん。
30歳代の介護職の女性。介護の仕事をはじめてから腰痛と切っても切れない仲になってしまったそう。

医師から「脊柱管狭窄症」の診断を受け、この仕事はあなたには過酷なので転職して下さい、と医師に勧められたそうです。話を聞いていくと、典型的な筋痛症への道をたどってきているように思えた。

「自分で楽な姿勢か分からない」

その方に楽な姿勢はありますか?とたずねると、そう答えられました。これはなかなか衝撃的な発言でしたね、日頃虫も殺さない私も、いままでの間違った腰痛神話が憎くなる瞬間ですね。

「座った姿勢はよくない」「長い時間立っているのは腰によくない」「仰向けは腰に悪い」「うつぶせはもっと悪い」と言われ続けてきた結果でしょう、つらさが伝わってきます。

世間には「介護職=腰痛」や「運転職=腰痛」、「美容師=肩こり」「八百屋=声がでかい」「医師=金持ち」「小学校の先生=ロリコン(あっ!すいません)」などの職業別に決まった病気になる、みたいな思い込みがありますが、これもよくない。

腰の筋肉を圧すると過剰なまでに反応します。明らかな筋硬結が存在します。

「今、押してみて痛いのは筋肉です、筋肉が痛みを出すっていうことは知っていますか?」
と私がたずねると…

「え!?筋肉って痛くなるんですか…?筋肉痛じゃなくて??」

いやいや、この『筋肉痛』という言葉…本当にややこしいですね。まぁ筋肉が痛いのだから筋肉痛なんだけど…と思いながら。筋肉が硬くなると痛みを出すことがある、ということを説明しました。

それから、脊柱など構造の変化は痛みと関係ないこと、痛みは脳に記憶されてしまう、などの慢性痛症の説明などなどをしてみました。

急にこのような話しをすると、「ウソだぁ~なに言ってんの、この人」という反応の患者さんと、難しい顔をしながらも真剣に話を聞いてくれて、なおかつ分からないことがあれば質問してくれる患者さんと2パターンに反応がわかれます。

この方は後者の方だったのですが、このあたりを見ると本当に困っているのか、そうでないかが伝わってくる気がします。
この方は仕事が好きでまだまだ頑張りたいとおっしゃられました。

私が「今まで〇〇さんが、腰について考えてきたこと、周りの人たちから言われてきたこと、腰のためにやってきたこと、腰をかばうためにやってきたこと、全部いったん忘れて下さい」と言ったら

「デリートするって、ことですか?」と面白い返事が返ってきました。
一瞬、「んっ!?」と思いましたが「そうです、デリートするんです」と返しました。
こういう言葉が出てくることで何かが変わっていくような気が私はします。

最後にペインコーチングを受けませんか?というチラシを渡し、長谷川淳史氏の「腰痛ガイドブック 根拠に基づく治療戦略」を貸出ししました。

これでどうなるかは冷たいようですが、その方の問題だと私は思っています。私は私の知っている知識を総動員して、(改善すべき点は多々ありますが)やれることはやりました。

ラーメン屋でたとえるなら、私は精魂こめた一杯をお客さんの目の前に出したわけです。それを見て食べるか食べないかはそのお客さんの自由なのです。

ナルトもシナチクものりも味付けたまごもネギものっけたつもりです。

案外、麺を入れ忘れてたりして…ズコッ!!

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